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【Excel】入力の効率が悪いと感じていたら、ぜひ見てほしい

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Excel入力で、毎回ダブルクリックしてから入力していたり、セル内の文字を全部消すのにBackspaceキーで一文字ずつ削除したりしていませんか?

編集状態とセルモード

Excel入力を効率よくするために必要な前提知識として、まず、編集状態というものがあることを知っておく必要があります。

そして、編集状態をきちんと理解するために、ここでは少しセルモードについてお話します。

セルモード

Excelには、以下の4つのセルモード(Cell mode)があります。

1. Ready(準備完了)
様々な機能が使える無カーソルの通常状態
2. Enter(入力)
文字を入力中の状態
3. Point(参照)
セル参照を指定中の状態
4. Edit(編集)
カーソルを自由に動かして文字編集ができる状態

今の状態はウィンドウ左下隅で確認できます。

セルモード

それぞれのモードの違いによる動作の違い、および状態遷移は下表のようになります。

セルモード矢印キーの動作“=”後の矢印キーの動作文字の入力Enterキーの動作F2キーの動作
Ready(準備完了) アクティブセルの移動Point(参照) へ遷移Enter(入力) へ遷移アクティブセルの移動Edit(編集) へ遷移
Enter(入力)アクティブセルの移動Point(参照) へ遷移文字入力Ready(準備完了) へ遷移しアクティブセル移動Edit(編集) へ遷移
Point(参照)参照点線枠の移動参照点線枠の移動 Enter(入力) へ遷移 Ready(準備完了) へ遷移しアクティブセル移動 Edit(編集) へ遷移
Edit(編集)同一セル内のカーソル移動同一セル内のカーソル移動 Enter(入力) へ遷移 Ready(準備完了) へ遷移しアクティブセル移動 Enter(入力) へ遷移

ごちゃごちゃしてますね。(笑)

編集状態

わかりにくいので、Ready(準備完了) のセルモードを通常状態、それ以外のセルモードを編集状態と言います。

通常状態Ready(準備完了)
編集状態Enter(入力)
Point(参照)
Edit(編集)

Excelでセル内をダブルクリックしたり、数式バーをクリックしたり、F2キーを押したりすると、編集状態に入ります。

編集状態は、1つのセル内の文字を集中的に編集している状態なので、文字選択や文字編集以外のことは、その状態のままではほとんどできません。(フォント操作はある程度できます)。

文字選択や文字編集以外で何かしようと思ったら、通常状態で操作する必要があります。

基本のセル入力

アクティブセルでそのまま入力します。ダブルクリックする必要はありません。

アクティブセル
アクティブセルは、選択したセル(深緑枠)内の白色背景のセルです。

入力し始めると、アクティブセル内で、自動的に編集状態(入力モード)に切り替わります。

セル内での入力が済んだら、Enterキーでセル確定を忘れずにしてください。

入力だけでも様々な応用操作はありますが、これが一番の基本です。

セル内の文字の削除

全部削除(残さない)

セル内の文字を全部削除する場合は、セル選択してDeleteキーを押します。(通常状態のまま)

Backspaceキーは使いません。

普段の文字削除でBackspaceキーしか使っていない人だと、ExcelでもBackspaceキーを使ってしまうかもしれません。

しかし、ExcelでBackspaceキーを使うと、複数セルまとめて選択していてもアクティブセルしか消せず、さらに、削除後も自動的に編集状態に変わってしまうので、まとめて削除したい時、削除したかっただけの時(再入力しない時)、とても非効率となるのです。

部分削除(一部残す)

セル内の文字の一部分だけを削除して、それ以外を残したい場合は、まず編集状態にします。

そして編集状態で、カーソル位置や文字選択位置の文字を削除します。

ただし、矢印キーでカーソル位置を移動させる場合は、編集状態でさらにEdit(編集) セルモードになっている必要があります。(上表の[矢印キーの動作]参照)

ウィンドウ左下隅でセルモードを確認し、Enter(入力)Point(参照) になっていたら、F2キーを押して Edit(編集) にします。

なお、部分削除では、BackspaceキーもDeleteキーも使えます。

セル内の文字の編集

すでに文字の入っているセルの編集でも、通常状態編集状態を使い分けます。

全部書き替え(上書き)

書き替えたいセルを選択し、入力します。元々入っていた文字は、自動的に全て削除されて、入力した文字だけになります。

全部は消さずに再入力(一部書き替え、または追記)

書き替えたいセルで編集状態に入り、カーソル位置で削除したり、入力したりします。

さらに効率の良い入力ワザ(上級編)

F2キーを使いこなす

F2キーによるセルモード切替を使いこなせると、数式入力中のセル参照も、マウスに手を移動させたり、セル番地入力をしたりせず、矢印キーで直感的にできるようになります。

さらに、上でも述べましたが、F2キーによるセルモード切替で、 Edit(編集) にすれば、矢印キーでカーソル移動も可能です。

Excel入力上級者への第一歩は、F2キーによるセルモード切替だと言えるでしょう。

Escキーも活用する

セル確定前にEscキーを押すと、セル内の文字編集をキャンセルできます。

消したくない文字まで間違えて消してしまったり、そもそもセル選択を間違えていたりといった時に重宝します。

数式入力途中で、セル確定前に他セルをクリックしてしまうと、セル参照が入ってしまいますし、Enterキーを押すとセル確定になります。

そして、数式が変な状態で、セル確定をしてしまうとエラーが出ますし、さらに元に戻す操作をしなくてはなりません。

Escキーを使えないと、こんなにも非効率なのです。

セル確定にTabキーやShiftキー、Ctrlキーも使う

セル確定は、Enterキーが基本ですが、Enterキーでセル確定させるとアクティブセルが下に移動します。

Tabキー

右のセルへ、右のセルへとどんどん入力したい時には、Tabキーでセル確定させると便利です。

また、Tabキーは、関数入力候補の決定にも使えて便利です。

Shiftキー

Shiftキーは、セル確定時にTabキーやEnterキーと合わせて使うと、通常と逆方向にアクティブセルが移動します。

Shiftキー+Enterキーなら上に、Shiftキー+Tabキーなら左にアクティブセルが移動します。

なお、Shiftキー+矢印キーは、セル範囲選択にも使えて便利です。

Ctrlキー

Ctrlキーは、セル確定時にEnterキーと合わせて使うと、アクティブセル移動なしで、そのセルのままセル確定になります。Tabキーとは合わせて使えません。

【番外編】文字変換と予測候補

Excelの機能ではなく、OSとしての入力機能の範囲になりますが、入力予測候補と文字変換候補の区別がついていない方も増えてきています。

入力予測候補

入力予測候補は、キーをローマ字どおりに(あるいは、かなを1文字ずつ)打っている途中で出てくる候補のことです。あくまで予測なので、日常よく使われている言葉を中心に、打っていないことまで候補に出てきます。

入力予測
入力予測

入力予測は、指かタッチペン一本で全ての操作をするスマホやタブレットのタッチスクリーンで普及しました。

しかし、パソコンの場合、マウスで入力するよりもキーボードで入力した方が速い人にとっては、無くてもよい機能でしょう。

ただし、一部のローマ字打ちが難しい外来語(テャ・ティ・テュ・テェ・テョなど)では、よく使う単語が候補として出てきてくれて便利な場合もあります。

文字変換候補

文字変換候補は、入力途中、確定前にスペースキーや変換キーを2回以上押すと出てくる候補のことです。

文字変換
文字変換

通常は、打った「読み」どおりの候補だけが出てきますので、きちんと打てば、使いたい語が候補に挙がってきやすいですが、きちんと打たないと正しい候補が出てきません。

入力予測と文字変換の使い分け

入力予測候補は、文字変換候補よりも歴史が浅いので、文字変換候補しか出なかった時代からパソコンを使っている人には、入力予測候補は「あとから出てきた便利機能」として認知されて、自分で使い分けや設定変更もできるでしょう。

しかし、パソコンを使い始めた時から入力予測候補が当たり前だった人の場合、かえって効率の悪いことになりがちです。

入力予測候補を標準の文字変換機能と勘違いし、少し打って、候補をマウスでクリック、また少し打って、候補をマウスでクリック、…という入力方法が普通だと思っている方もよく見かけます。

パソコンよりスマホが先だと無理もないと思います。

しかしそのやり方では、すぐ「欲しい候補が出てこない」壁にぶつかるでしょう。

今からでも遅くはありません。正しく文字変換の使い方を覚え、入力予測も、マウスでクリックではなく連続したキー操作で使いこなせるレベルを目指しましょう。(マウスでクリックしなくても、Tabキーや矢印キーで候補選択できます。)

【番外編の番外編】オートコンプリート

入力予測と似た機能で、Excel限定ですが、オートコンプリートという機能もあります。

これは、「表の同じ列には同じ種類のものが入る」ルールに沿っていて、同じ列の上方セルに、同じ読みで始まる内容が入っていると、その内容が全自動入力されるものです。

オートコンプリート
オートコンプリート

本当は違う内容を入れたい場合、セル確定前なら、本当に入れたい内容をそのまま打って修正が効きますが、ちょっとした操作で全自動入力されてしまうものです。例えば、変換を確定させるためのEnterキーやカーソル移動の矢印キーのつもりでも全自動入力してしまいます。

そうすると、その後また編集状態で修正するか、初めから入力し直さなくてはならない非効率が発生します。

オートコンプリートのオン/オフは、[ファイル]タブから[オプション]([その他]内に隠れている場合もあります)を開き、左メニューで[詳細設定]を選択すると出てくる[オートコンプリートを使用する]のチェックオン/オフで変えられます。

オートコンプリートのオン/オフ
オートコンプリートのオン/オフ

【番外編の番外編 その2】オートコレクト

Excelに限らず、どちらかというとWordでよく見かける機能ですが、オートコレクトという自動修正機能が Microsoft Office シリーズには初めから入っています。

元々は英語文化でのスペルミスや文法ミスを自動修正する便利機能ですが、一部、自動文字変換としての便利機能も備えています。

オートコレクト
オートコレクト

これをわかって使う分には良いのですが、設定で変えられることを知らずに使っていると、入力した内容が勝手に変わってしまい、対処ができなかったり、むしろ効率の悪いやり方で入力せざるを得なくなったりします。

まとめ

簡単なようで奥が深いExcel入力。

「とりあえずできる」から「効率よくできる」へのステップアップは、高度な機能やショートカットキーをたくさん覚えることとは限りません。

案外、わかったつもりになって疎かにしがちな基本を、いかに深く理解し使いこなせるか、にかかっているのかもしれません。

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